教訓とは

JUGEMテーマ:読書


本日ご紹介する「したきりすずめ」は、
あまりにも日本の昔話としてメジャーで、
このお話を知らない人や、聞いたことがない人は、
全国各地、各世代をみても、
やっぱり少数派なのではないかとさえ思えるようなお話ですので、

わざわざお話の概略を御紹介するまでもないのですが、

要は、

やさしいおじいさんと、
意地悪なおばあさん夫婦が登場し、

ある日おじいさんが山で畑仕事をしているときに、1羽の雀が登場。
おじいさんのお弁当を食べてしまいます。

このおじいさん「やさしい」おじいさんですから
お弁当を食べられたにもかかわらず、
このすずめに「おちょん」という名前までつけて、
しかも家に連れて帰り、ご飯を食べさせ
何かにつけては「おちょんや、おちょんや」と声をかけて、
それはそれはかわいがるのです。

一方おばあさんのほうは「いじわる」ですから、
このおじいさんのしていることは全く気に入りません。
ある日、洗濯物にのりをつけようと、
ご飯でつくったのりを、
このおちょんが食べてしまいます。

おこったおばあさん。
「こうしてくれる!」
といって、すずめの舌を、糸きりばさみでちょん切ってしまいます。

家に帰ってきて、話を聞いたおじいさんは、おちょん探しに出かけます。

途中、牛あらいさんや、馬あらいさんなどなどにであい、

それなりな無理難題を突き付けられても、
おちょんのために嫌な顔せず引きうけて、
おじいさんは、おちょんのすむ竹やぶへと進みます。

おちょんはおじいさんが来てくれると、
ごちそうを振る舞い、
おみやげに
「おおきなつづら」
「ちいさなつづら」
を出してきてくれます。

おじいさんは欲を出さずに、
「ちいさなつづら」
を持って帰り、家で開けてみると、
なんとそこには
金銀財宝がいっぱい!

欲を出したおばあさんは
「おおきなつづら」をもらうために、
ただ「おおきなつづら」をもらうためだけの目的で
おちょんのすむ竹やぶに行き、
そして「おみやげを出せ」
とまでいい放ち、
「おおきなつづら」
をもらって帰るのですが、このつづらから化け物が…


…というお話です。

昔話には、多いパターン「勧善懲悪」

善良な人や善良な行いは奨励し、悪者や悪い行いは懲こらしめるというパターンです。

私は、昔話といえども
「勧善懲悪」という考えを子供に教えるのは好きではないんです。

だって
「ちょっとぐらい悪いことをしても、懲らしめられない現実」
というのはたくさんありますし、

「かなり悪いことをしても、誰にもばれずに、懲らしめられることもない現実」
というパターンだって、確実にありますから。

それに「完全な善人もいないし、完全な悪人もいない」
と思いますから。

子供に伝えたいのは
「勧善懲悪」
ではなくて、

「因果応報」

誰かに懲らしめられるとか、
罰が下されるとか、
そういう外部からの力が下ることを教えるよりも、

人はよい行いをすればよい報いがあり、
悪い行いをすれば悪い報いがあるということ、

を教えていきたいと思います。

悪因悪果

善因善果

「したきりすずめ」を読むときも、
「悪いことをしたら、誰かにこらしめられるんだよ」
ではなくて、
「全ては自分のしたことが回ってくるんだよ」
と教えていきたいものです。



さて、「したきりすずめ」。
ネットで検索すると、あるわあるわ、100冊以上はヒットします。
色々ありますが、こちらの小沢正さん作のしたきりすずめは、
挿絵がとってもほのぼのとしていて、
おじいさんがさもやさしそうに描かれていますし、
おばあさんは、最後、
大きなつづらから化け物が出てきて怖くて逃げる羽目になるだけではなくて、
大きなつづらからでてきた大ヘビに、
かまれて、
そして、
しんでしまいます。

「え!しんじゃうの!」

と衝撃的に終わる昔話。

今よりもっと、死は、生にとなりあわせだったと思われるその昔、、
「長生きしたいなら、幸せに生きたいなら、
 たくさんいいことをするんだよ」

と強いメッセージが、子育てには切実に必要だったのかもしれません。

これも昔話らしさがあって、
大好きな絵本です。

是非、読んでみてくださいね。











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