ひたむきに続けるということ

JUGEMテーマ:読書


題名からみると「牛をかぶったカメラマン」の意味がわからず、
「牛をかぶるなんて、無理だよねーーーー」
表紙絵を見てみても、
「こんなこと、牛が発泡スチロールでもない限り、無理だよねー」
と、子どもと言いながら、読み始めた絵本でした。
まさか、それが本当に、つくり物の牛であるとは思わずに。

カメラマンの世界の中では有名な人物なのかもしれませんが、私は「キーアトン兄弟」という偉大なカメラマンがいたことを存じ上げませんでしたので、このお話にはちょっとした衝撃を受けました。

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キーアトン兄弟は自然豊かなイギリスの地で育った兄弟です。小さい頃は、豊かな自然の中でじっくりゆっくり、いろいろな物を見つめながら育ちましたが、大人になってからはせわしないけれど活気があるロンドンに出て、出版社に勤めた普通のサラリーマンでした。
ある時、弟のチェリーは仕事の休日に田舎に戻り、1枚の写真を撮影します。
それは豊かな自然が見事に切り取られた素晴らしい写真でした。

兄のリチャードは弟の才能に気がつきます。こんな写真は誰にでもとれるものではないと。
それから二人は仕事の休みの日など時間をとって郊外へ出かけ、豊かな自然の中で鳥の写真を撮り始めました。
とればとるほど撮影意欲に駆られ、休日だけでは足りず、朝はまだ暗い3時頃から出かけて鳥の写真をとり、出勤時間には会社に戻る暮らしを続けました。

二人は自然のままの鳥の様子を撮影するためにさまざまな工夫をしました。
作り物の木のなかにはいり、鳥にわからないように撮影したり、
ぬいぐるみの羊をかぶって、鳥に気づかれないように近づいて撮影したり、
作り物の牛をかぶって近づいて撮影しするため、木で牛の形を作り、本物の牛の皮をかぶせて、本物そっくりの牛を作り、その牛をかぶって何時間も時間をかけ、鳥のシャッターチャンスをまったり。

撮影のために野宿することはまるで苦ではなく、
撮影のために危険の岩はだを登ることも決して珍しいことではなく、
撮影のために高い高い木の上に、さらにはしごをかけて登り、鳥に近づいて撮影することもしばしば。
時には兄のリチャードの肩の上に、弟のチェリーが立った状態で撮影することもありました。

すべてはただ一つの目的のため、「鳥の写真を撮る」ということのためだけにです。

そうやって数年かけて撮りためた写真は一冊の本として出版されました。
それをみた人々は一様に驚きました。
二人の撮った写真は、写真としての美術的価値だけではなく、
意外と知られていない鳥の生態までおさめられた、自然科学的価値も大きかったからです。


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すごい仕事をした背景には、もちろんチェリーの写真に対する才能はあったかもしれません。
でもおそらく99%、二人のひたむきな努力が、実を結んだ結果の本であることを感じるお話です。

下手の横好きでもいい、ひたむきに頑張れば、いつかそれが実を結ぶ。
子どもに伝えていきたい、お話の一つです。
「実話」だからこその説得力があります。

ぜひ読んでみてくださいね。



コメント
プーチキン さん、コメントありがとうございました。
(レスだいぶおそくなりすみません<(_ _)>)
今回の震災では読み聞かせボランティアさんがおびえた子ども達の心をいやすために活躍されているところもあります。

素敵なお話を子どもたちに伝えていきたいですね。
  • atu
  • 2011/03/20 2:17 PM
はじめまして。読み聞かせボラをしています。
今日図書館で、今度六年生に読む絵本を探していて、この絵本に出あいました。私も、この方の事を知らなかったので、最後にあるご本人の言葉とか・・とても感動しました。
題名ド忘れしましたが、雪の結晶を撮り続けたカメラマンさんの話の絵本も好きですが、それに似たメッセージがあると思います。
  • プーチキン
  • 2010/11/25 7:19 PM
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