秋の実りと平和の願い

キャラメルの木 (講談社の創作絵本)
キャラメルの木 (講談社の創作絵本)
小泉 るみ子

9月後半に突入し、実りの秋を感じる季節になってきました。
田んぼでは金色の稲穂が重たそうに穂をたらし、山の木々もすこーし色づいてきたような気がします。
今日、久しぶりに北上川の河原に子供たちと出かけてみましたが、クルミの実がすっかり熟してぽとぽとと地面に落ちておりました。
一緒にいた親戚のおばちゃんが、「クルミの実がいっぱい落ちているねぇ」と言いました。

「クルミの実」。よく見るような固い殻のクルミじゃありません。地面に落ちているそれは緑色で卵型。ちょっと長細くした小粒の青りんご、といった感じです。

子どもたちは「え?これがクルミ?」と目を白黒させました。


「クルミの実は、腐らせて皮と果肉を外し、とりだした種を天日で干すとみんながよく見る"クルミの実"になるんです。そうしたら固い固い殻を割って中身を取り出し、食べるんですよ」

そう親戚のおばちゃんに教えてもらった子どもたち。それを聞くと、夢中でクルミ拾いを始めました。ビニール袋いっぱいにクルミの実を拾い、それを家に持ち帰って果肉を腐らせ、クルミを食べるまでの手のかかる工程を、自分で試してみたくなったのです。


さて、今日読んだ絵本は「キャラメルの木 」。
さすがの子どもたちもキャラメルは木にはならないとわかっていましたが、何となく気になって読んでみた絵本です。
読んでみると、とても悲しく切ない、戦時中の物語でした。

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小学生のしんすけは、今だに時々おねしょをしてしまいます。
そんなしんすけも、もうすぐお兄ちゃん。お母さんのおなかに赤ちゃんがいるのです。

赤ちゃんがもうすぐ生まれそうなので、しんすけはおばあちゃんの家に泊まりに行くことになりました。
しんすけはおばあちゃんの家でも、おねしょをしてしまいます。

おばあちゃんはそれをみて「犬のクッキーがやったんだね」と言いました。
「僕がおねしょしたの。」としんすけは答えます。

それをきいたおばあちゃん、「正直な子だね。…おばあちゃんは昔、嘘をついたことがあるの」と言い、戦時中の話を始めるのです。

…おばあちゃんには弟がいました。
弟は病気でしたが、満足に食べるものも与えられず、飲ませる薬もありませんでした。

おばあちゃんは日に日に衰えていく弟を励ますために嘘をつきました。
「この木にはね、キャラメルの実がなるんだよ」

弟はその夜なくなりました…
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おばあちゃんが弟を励ますためについた、たった一つの嘘、それをおばあちゃんは何十年も気にしているのでした、今でも弟の写真の前には大好きだったキャラメルをお供えしています。

何もない時代。食べるものにも薬にも事欠く時代。
まだもっと生きたかったはずの小さな命が、簡単に失われてしまった時代。
キャラメルを食べたかった弟の気持ちや、弟を思う姉の気持ちを考えると涙が出るほど心が痛みます。

この本を読んで、今豊かな自然いっぱいの北上川を歩いてみると、
秋の実りに感謝。平和に感謝。
という気持ちになりました。

ぜひぜひ、読んでみてくださいね。

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  • 2009/09/23 4:40 AM

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