それも、よし
あーちゃんのおにいちゃん
ねじめ 正一,長野 ヒデ子
よく聞く言葉ですが「どんな人にだっていいところがある。」「人間には必ず短所も長所もある」「みんな、いい子」。
私も3児の母ですので、子どもがみんないいところを持っているのは実感しています。
「良い」だけの子もいませんし、「悪い」だけの子もいません。みんな、それぞれに良さと悪さ、強さと弱さを併せ持っています。
そんな子育てではありますが、この絵本、母の私がとっても気に入った絵本でした。
------------------------------
あーちゃんのお兄ちゃんは、
あーちゃんにいじわるするし、
お友達が自分より速いボールを投げると、怒って家に帰ってきちゃうし、
宿題はやらないし、
お友達を家に呼ばないし、
逆上がりできないし、
ぼさぼさの寝ぐせのままで学校に行くし、
花の名前・ちょうちょの名前をいっぱい知ってるくせに、あーちゃんに全然教えてくれないし、
…
------------------------------
…と、ずうっとこの調子でお兄ちゃんの困ったことが書かれていきます。
読んでいて、いつか、いつか、最後のページのほうに、このお兄ちゃんの「いいところ」が書かれるんだろうな、と漠然と想像しながら読み進めるのですが、ついに、最後までこの調子。
書かれていることは、あーちゃんのお兄ちゃんは、本当に困ったお兄ちゃんだっていうこと。
あーちゃんのお兄ちゃんは、困ったお兄ちゃん…となるはずなのですが、妙にこのお兄ちゃん、とっても憎めない、愛すべき存在に思えてくるのです。
なんだか、あーちゃんのお兄ちゃんのひとかけらが、我が家の子供たちそれぞれの中にもあるような気がして。
全部丸ごと当てはまるわけではないけれど、うんうん、わかるよ、と妙な共感がにじみ出てきます。
この絵本、最後の一文がとっても素敵です
------------------
でも、あーちゃんの、おにいちゃんです。
------------------
子育てや、共に生きていく中ではお互いの認め合いが欠かせません。
「認める」ということに気づかされる絵本かもしれません。
ぜひ、読んでみてくださいね。
- 2009.05.01 Friday
- 子育て中に読みたい話
- 08:58
- comments(0)
- trackbacks(0)
- -
- by atu