親子の合言葉

お母さん、ひらけゴマ!
西本 鶏介, 狩野 富貴子

遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。
マイペースではありますが本年もCommon mamaとC.mamaブログをよろしくお願いいたします。

お母さん、ひらけゴマ!」は、パッと見戦争絵本です。
読んでみると確かに、辛い戦時中の様子が描かれています。

主人公の男の子のお父さんは軍人さん。
男の子は学校へ行くのが嫌でした。なぜなら学校では勉強せずに校庭を畑にして、サツマイモなどを植え、畑仕事に精を出さなければならないからです。
農家の子と違って、軍人さんの子である男の子は畑仕事が苦手です。
先生に叱られながらの農作業で、男の子はとても辛い気持ちで学校へ通っておりました。

そんな男の子のお母さんは、とても優しいお母さんでした。
悲しい気持ちで家に帰った男の子に、お母さんはいつも夢いっぱいの物語をお話ししてくれました。

お父さんが外国の戦場へ旅立つ日、お母さんが涙を流しながらお話ししてくれたのは「魔法のじゅうたん」の物語でした。
「目を閉じれば、いつだってお父さんの所へ飛んで行けますよ」
お母さんは言いました。

ある日また学校からつらい気持ちで帰宅した男の子が、家の門を開けてみようとすると、門があきません。
男の子は「アリババと40人の盗賊」のお話に出てくる魔法の呪文を唱えました
「ひらけごま!」
すると…門があきました。
お母さんが、「アリババと40人の盗賊」のモルジアナのように、
「お帰りなさいませ」
と迎えてくれました。
その日から男の子は学校から帰るたびに
「ひらけごま!」
と言いました。お母さんはそのたびに
「お帰りなさいませ」
と迎えてくれるのでした。

男の子はこのお母さんとなら、どんなつらいときだって乗り越えられると思うのでした。

…そうして戦争は終わり、40数年が過ぎました。
男の子は孫のできる年となり、お母さんは小さく遠い人となっていきました。痴ほう症になったのです。

お母さんの世話は弟のお嫁さんがしてくれていました。
ある日おじいさんになった男の子はお母さんの所へ行きました。
小さくなったお母さんを抱いて、ベッドに寝かせてやりました。
ぼんやりとしたお母さんに、お爺さんになった男の子は声をかけました
「ひらけごま!」
すると…
----------------------------------

結末の下りで、読みながら涙が出ます。
戦時中の苦しさも丁寧に書いていますが、何よりも親の愛情と、親子の絆を描いた絵本です。

自分もこんな風に年を取ってからも、わが子に大事にしてもらえるだろうか…とふと考えます。
親子の絆は、深い愛情で包んであげることでこそ紡がれる、そんな風に感じる絵本です。

ぜひ読んでみてくださいね。

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