津波

津波!!命を救った稲むらの火
津波!!命を救った稲むらの火
小泉 八雲, 高村 忠範

このお話が小泉八雲さん原作と書いてあるのが意外な気がして読んでみましたが、とても衝撃的な、江戸時代の実話を元にした物語でした。

現在の和歌山県有田郡を舞台とし、その地の長者様だった浜口儀兵衛(梧陵)が、津波から村人を守ったお話です。
(この絵本の中では「五兵衛」という名で登場します。)

その年は、大変豊作で、豊作を祝うお祭りの準備も進められておりました。
ちょっと体調の悪かった五兵衛は祭の準備にはまざらず、孫と一緒にぼんやりと海を眺めておりました。
その時、ちょっとした地震がありました。大きな揺れではなく、ゆっくりと、しばしの間揺れを感じただけでした。
その後、海を見ていて、五兵衛は気がつきました。
海の潮が風と反対方向に流れていくのです。
今までに見たこともないほど、潮は引いていきました。
五兵衛は孫に、すぐたいまつを持ってこさせました。
そして小高い丘の上にある自分の田の稲むらに火をつけていったのです。
村人は火に気がつき、慌ててそこへ登ってきました。
孫はおじいさんの気がふれたかと思って泣きました。
五兵衛は村人の人数を数えさせ、全員が集まったことを確認しました。
すぐその後、恐ろしく高い波が鳶が飛ぶよりも早い速さで襲いかかり、下にある家々を引きちぎっていきました。

村人を小高い安全な場所へ集めるために、そこにあった稲むら全てに火をつけ、村人を1人残らず集め、難を逃れたお話です。
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この五兵衛さん、ただその一瞬、津波から人々を救っただけではないのです。
後書きに書かれておりますが、その後の村人への仮設住宅の建設、おにぎりの炊き出しなど、私財をなげうって尽くし、更には、津波によって仕事をなくした人のために、仕事まで提供したのでした。
仕事とは、津波に備えるための堤防の建設でした。

現在も大規模な自然災害は多発していますので、その度に善意あるボランティアの活動は、被害者を支える大きな力となっていると思います。
浜口儀兵衛(梧陵)さんの活躍も、これほどまでにできる人物は、過去にも未来にもそういないのではないかとさえ思ってしまうような、素晴らしい人物伝です。
ぜひ読んでみてくださいね。



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