アイヌの神の物語

白鳥のコタン
白鳥のコタン
安藤 美紀夫, 水四 澄子

表紙を見ただけでは、、これが神話であることが全く予想がつきませんが、アイヌの土地を舞台として、アイヌの人々や、いくつかの神々が登場します。
アイヌの神=オキクルミという先入観があった私は、オキクルミ以外のアイヌの神は珍しいように思い、興味を持って読み進めました。

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あることから村中の人が死に、たった1人生き残った人間の子どもを、懸命に支え、育てる美しい女神。その女神に心を寄せる雷の神は怒ります。
雷の神は怒って、女神に神の国に戻ってくるようせまります。
若者に成長した男は女神をはなしません。
二人が争うことを悲しんだ女神は…
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まるで人間の世界の三角関係のような構図です。
また一つ、奥深い神話の世界をかいま見ました。
心の動きを感じ取れる、小学生以上におすすめです。

アイヌの神の物語

オキクルミのぼうげん
オキクルミのぼうげん
萱野 茂, 斎藤 博之

オキクルミのお話は他の絵本でいくつか知っています。
神話に出てくる神々は、とても人間的で、よい神もいれば悪い神もいて、闘ったり話し合ったり、まるで人間のドラマを見ているような親近感がありますが、こちらの「オキクルミ」はとても正しさを内包している神で、「アイヌ」の人々のために尽くした神様です。

今もそうですが、昔はもっと、北の大地は生きるのには厳しい条件が揃っています。冬は長く、寒さは厳しく、作物は育たない。その上土地は荒れ果てており、人々の暮らしはとても苦しいものでした。
そんなアイヌの土地を自ら選んで赴き、そこに根を張り、人々のために尽くしたのが、オキクルミです。

こちらの「オキクルミのぼうげん」は題名に「ぼうけん」とありますので、よくある冒険物語を想像して読みましたが、冒険と言うよりは、むしろ苦労しながらアイヌの人々のために尽くした様子がよく描かれています。

大人が読んであげれば、幼稚園でも夢中になって聞いてくれます。
ぜひ読んでみてくださいね。


さくらさひめの大しごと

さくらさひめの大しごと
さくらさひめの大しごと
古田 足日, 福田 岩緒

また、素敵な日本の神話に出会いました。
表紙からはとても神話には見えませんが、ページを開くとすぐ神話の世界です。
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さくらさひめはタネの神様。いつもはたんぽぽぐらいの大きさで、呪文をとなえれば桜の花に隠れることができるほどもっと小さくなります。
桜の花の子たちがお友達で、いつも一緒に遊んでおりました。
そんなさひめにも、衝撃的な事件が起こります。
とある理由で母神様が殺されてしまうのです。
母神様は前に言っておりました。「あなたにはいつか大しごとをしてもらいますよ」と。母神様は、亡くなり際に言いました。「私が死んだら私のからだから稲や麦などが生えてくるでしょう。あなたはそのタネを持って、人々に稲や麦を育て実らせることを教えなさい」
さひめの大しごとは、そこから始まりました。お母さんが死んだと泣いてばかりはいられません。亡くなったお母さんのからだから生えてきた稲や麦やヒエやアワや豆などから種を取るとお友達の赤い鳥にのって人々の住む所へとんでいくのです。

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「日本の神話」シリーズを読んだお陰で、わずかながら「日本の神々」の難しい名前もいくつか覚えました。その内の「テナヅチ」「アシナヅチ」も登場します。
テナヅチ・アシナヅチはかの「櫛灘姫」の親神様です。八岐大蛇(ヤマタノオロチ)に娘達を次々に食べられて、泣く泣く最後の1人の娘、櫛灘姫も八岐大蛇(ヤマタノオロチ)に食べられようとしている時、どこからか現れて櫛灘姫を助け、夫婦になったのが、かの荒くれ者、須佐之男(すさのお)という神です。
さくらさひめの大しごとには、テナヅチ・アシナヅチが登場しますが、まだ2人が結婚する前、知り合う前のお話として描かれています。さひめが2人のキューピットとなり2人は結婚します。

「ヤマタノオロチ」のお話の中では「おじいさん・おばあさん」として登場するテナヅチとアシナヅチ。とっても若い頃のお話です。
それに、この2人、「巨人」なんです。すると須佐之男も巨人、櫛灘姫も巨人。ヤマタノオロチはすさまじく大きい大きい怪物、ということになりますね。

…となると、さくらさひめの大しごとのさひめは、たんぽぽぐらいの大きさなのですから、基本的に巨人である神々から比べれば特異に小さい神、ということになります。

また一つ神話の世界が広がって、楽しく読めました。
神話をよく知らない方でも楽しめる絵本だと思います。
ぜひ読んでみてくださいね。

日本の神話【6】

日本の神話〈第6巻〉うみさち やまさち
日本の神話〈第6巻〉うみさち やまさち
舟崎 克彦, 赤羽 末吉

現在の所、この日本の神話シリーズは全6巻のようですが、最後となる6巻目は、5巻の大国主命(大国主命)の続きではありません。
「海幸」「山幸」と呼ばれる神が登場するお話です。

母の私も子どもの頃からよく知っているお話です。

海幸は海の魚を釣る仕事、山幸は山で狩りなどをする仕事。
ある日山幸は海幸に仕事のとりかえっこをしてみようと頼みます。
渋々ながら、海幸は了解し、翌日はお互いに反対の仕事をしてみます。
ところが山幸は、海で魚を釣ろうとしても1匹も釣れず、そればかりか海幸の大事な釣り針を海に落としてしまいます。
心からわびる山幸ですが、海幸は決して許してくれません。
山幸は自分の刀を千も万もの釣り針に作り替え、わびましたが、海幸は許してくれません。
最後、海幸に罰が当たってしまう、というお話です。

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このお話、確かに相手の心からのわびを受け入れようとしない海幸は冷たい人だと思いますが、最後海幸に罰が当たるところはどうなんだろうなーーと思います。
そもそも仕事のとりかえっこをやりたがったのは山幸の方だし、落としたのも山幸。初め完全に非があるのは山幸の方です。
許さなかったからといっても、本当に他のものでは代替えにならない大切な品だったのではと思うと、罰が当たるのは可哀想な気がするのは私だけでしょうか。
失敗したのはわざとじゃない、でも相手にとっては決して許せない程の決定的な失敗、というのはよくあることです。
許して貰えないのは仕方がない、それほど相手を傷つけてしまった…ということも現実、あることです。
気持ちは分かるけど、許さない相手に罰が下るのはちょっとすんなり納得出来ないなーーー、そんな気がしました。

日本の神話【5】

日本の神話〈第5巻〉すさのおとおおくにぬし
日本の神話〈第5巻〉すさのおとおおくにぬし
舟崎 克彦, 赤羽 末吉

大変面白い日本の神話シリーズのご紹介、5作目は日本の神話〈第5巻〉すさのおとおおくにぬしです。
第4巻において、兄神達に逆恨みされ、命をつけねらわれる大国主命(おおくにぬしのみこと)。一度は殺され、後数回、命の危険にさらされます。ついに母神はご先祖の須佐之男(すさのお)が居る黄泉の国へ行ってみるように助言しました。

さて、第5巻。大国主命は舟に乗って遙か彼方の黄泉の国へ向かいます。
「第1巻」で黄泉の国は厚い扉でふさがれた暗く恐ろしげな洞窟のような所だったのに、第5巻では一転、黄泉の国は普通の島でそこにいる亡き須佐之男は立派なお屋敷に住んでいるのがどうも腑に落ちませんでしたが、とにかく須佐之男は、黄泉の国のお屋敷で一人娘と暮らしておりました。
(須佐之男は櫛灘姫(くしなだひめ)と結婚したはずなのですが、黄泉の国には櫛灘姫はなぜか居ませんでした。)
そして「荒くれ者でトラブルメーカー」だった頃の須佐之男を彷彿とさせる言動で、大国主命を困らせるのです。
命が助かる方法を教えて欲しくてわざわざはるばる黄泉の国までやってきたのに、逆に須佐之男に命をねらわれる始末。
なぜ須佐之男が大国主命の命をねらうほど意地悪したかというと、一人娘が大国主命に一目惚れしてしまったからなのでした。
散々意地悪したのですが、その都度、一人娘がさりげなく大国主命に力を貸します。
最終的に須佐之男は、大国主命は頼もしいやつだと認めます。
心を許したすきに、大国主命は須佐之男の刀や槍、姫までさらって黄泉の国を逃げ出すのです。
須佐之男は怒りました。追いかけましたが大国主命と姫は舟で沖まで出てしまいました。、須佐之男はどうすることもできず「その刀で兄神達をやっつけろ。そして娘を幸せにしてやってくれ!」と頼むのです。
大国主命は、国へ帰ると須佐之男の言葉どおり、兄神達をやっつけ、姫と末永く幸せに暮らしたと言うことです。

日本の神話【4】

日本の神話〈第4巻〉いなばのしろうさぎ
日本の神話〈第4巻〉いなばのしろうさぎ
舟崎 克彦, 赤羽 末吉

さて、日本の神話第3巻の「やまたのおろち」のラストは、須佐之男(すさのお)と櫛灘姫(くしなだひめ)がめでたくむすばれ、子どもにも恵まれ、幸せに暮らす、というお話です。
散々神の国ではトラブルメーカーだった須佐之男も、下界では地に足を着けて櫛灘姫の夫として幸せになって終わります。
この4巻目日本の神話〈第4巻〉いなばのしろうさぎは須佐之男(すさのお)と櫛灘姫の孫のまた孫のまた孫…須佐之男の数代後の直系の神「大国主命(おおくにぬしのみこと)」のお話です。

大国主命(おおくにぬしのみこと)は気だての良い神でした。
大国主命には沢山の兄たちがおりました。
皆、同じ姫を嫁にもらいたいと思っており、嫁にもらうため、揃って旅に出ます。
日頃、兄たちから馬鹿にされている大国主命は兄たちみんなの荷物もち。
重い荷物を背負って後からゆっくり歩いていきました。
そこで、大国主命は皮をはがれて苦しがっているウサギに出会います。

ウサギが話した内容は「いなばのしろうさぎ」をご存知の方は普通に知っていることと思うので中略します。
大国主命が治す方法を教えてやり、「姫と結婚出来るのはお兄さん方ではなく、あなたです」とウサギに告げられます。
結果、ウサギの言ったとおり、兄たちはプロポーズしても振られ、大国主命が選ばれます。

初めから性根の悪い兄たち。大国主命を逆恨みし、殺してやろうとしつこく追い回します。
兄たちのたくらみで火に焼かれて死んでしまった大国主命。
母神が嘆き悲しみ、生と死をつかさどる神に頼んで生き返らせてもらいます。
その後も兄たちのたくらみで、木に挟まれて命を落としかけたり、危ない目に遭う大国主命。
母神は少しでも安全な場所へ移り住むよう大国主命に勧めます。
大国主命は母の勧めに従いますが、兄神達はしつこく追い回し、命をねらいます。
そこでついに、母神は言いました。
「もはやあなたをお守り出来る場所は一つしかありません。黄泉の国へ行って、ご先祖の須佐之男(すさのお)に相談しなさい。あなたをお守り下さるかもしれません」
そこで、大国主命は、黄泉の国へ旅立つことにしました。

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「黄泉の国」は死んだものが行く場所。ご先祖が居るからといって、そこへ行くことは自ら死ぬことと同じでは?という疑問を母子で感じました。
須佐之男がどんな風に大国主命を守ってやるのかも5巻目の見所です。
子ども達はすぐ読みたいと大騒ぎでしたが、寝る時間になってしまったのでまた明日。
明日読んだらご紹介しますね。


日本の神話【3】

日本の神話〈第3巻〉やまたのおろち
日本の神話〈第3巻〉やまたのおろち
舟崎 克彦, 赤羽 末吉

この日本の神話シリーズ、とにかく面白いです。
1巻、2巻と「初めて神がこの世界をお作りになった」ところからはじまるこのシリーズは、どの神から何という神が産まれたのか、すごくよく分かります。
特にイザナギが黄泉の国から帰ったあとに産まれた神
天照大神(あまてらすおおみかみ)
月読の神(つきよみのかみ)
須佐之男(すさのお)
のうち、「天照大神の弟である須佐之男」についてよく分かります。

3巻目の
日本の神話〈第3巻〉やまたのおろちはまわりの神々の言うことも父であるイザナギの言うことも聞かない、荒くれ者の神、須佐之男から始まります。
須佐之男は第2巻において、姉の天照大神の治める高天の原の田にくそをする、うまの皮をはいで、はたおり小屋に投げ入れ、結果、はたおり女がビックリしてはたおり機に胸を刺して死んでしまうという事件もありました。
天照大神は大変心を痛めたの2巻のお話。
第3巻では、そんな須佐之男の行為をみかねた神々が、須佐之男にどんな懲らしめをするか、会議を開きます。
会議の結果、須佐之男は高天の原を追われ下界への旅をすることになりました。

須佐之男は、旅の途中、年老いた老夫婦と若い娘に出会います。
おじいさんは足那椎(あしなづち)、おばあさんは手那椎(てなづち)、娘は櫛灘姫(くしなだひめ)といいました。
3人はくらい顔をして泣いておりました。
須佐之男は、なぜ泣いているのかたずねます。
足那椎は答えました。
「私には8人の娘がおりましたが、やまたのおろちに一人ずつ食われ、残るは櫛灘姫ひとりとなりました。
この子も同じようにおろちにとって食われるかと思うと悲しくて泣いているのでございます。」
須佐之男はいいました。
「私に姫を嫁にくれるなら、やまたのおろちを退治してやろう」


あとは、ご存知、やまたのおろち(八岐大蛇)のお話です。
8つのカメに強い酒をたっぷり入れておろちを迎え撃ち、酔っぱらったやまたのおろち(八岐大蛇)を切り刻みます。
最後、やまたのおろちの体内から、まばゆくような刀が出てきます。
須佐之男は、この刀を姉の天照大神に、お詫びの印にプレゼントします。


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「やまたのおろち(八岐大蛇)」は昔話の中で親しんできました。
くしなだひめを助けるためにやってきたヒーローは、とても強くやさしい武士の男、と思っておりました。
それが、このシリーズを読んで初めて、「くしなだひめを助けたヒーローは、荒くれ者でトラブルメーカー、あげくの果てに高天の原を追放された須佐之男という神」であったことをしり、強烈に心うごかされるものがありました。
足那椎だって、突然やってきた若者が神の国を追放されたわがままで暴れん坊の神と知っていたら、望みを託すようなことはしなかったのでは?
娘を嫁にくれることにも躊躇したのでは?
色々考えるものがありました。

やまたのおろちは、こんな壮大な神話の中の1節であることも知りませんでしたので、子ども達と一緒に、「へええー!!!」というような驚きと発見がありました。
「やまたのおろち」を単独でご存知の方には、感動も発見も多いと思います。
是非、この神話シリーズの1巻から読み進めた3巻のやまたのおろちも読んでみてくださいね。

日本の神話【2】

日本の神話〈第2巻〉あまのいわと
日本の神話〈第2巻〉あまのいわと
舟崎 克彦, 赤羽 末吉

引き続き日本の神話シリーズ2冊目のご紹介です。
イザナギが黄泉の国から帰った後に作った3神
天照大神
月読の神
須佐之男
のお話です。

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末っ子の須佐之男(すさのお)は荒くれ者。
仕事はろくにせず暴れ回っていたので、世の中は次第にすさんでいきました。
まわりの神がいさめても聞こうとしないため、姉の天照大神(あまてらすおおみかみ)は須佐之男をいさめるよう頼まれました。
姉の天照大神は須佐之男をいさめるどころか、かばいました。
ところがある日、須佐之男は姉の天照大神がかばいきれないほどのいたずらをしてしまったのです。

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ギリシャ神話もそうですが、神々は非常に人間味に溢れています。
天照大神の美しさも目をひきます。
さて、「あまのいわと」。あまのいわとって何であるかは、是非読んでみてくださいね。

日本の神話

日本の神話〈第1巻〉くにのはじまり
日本の神話〈第1巻〉くにのはじまり
舟崎 克彦, 赤羽 末吉

「神話」というものは、よく知らないで読み進めると、登場人物の名前が難しすぎて、名前を読むことに苦労し、その神がどんな神なのかさっぱり分からずにお話も楽しめないことが多く取っつきにくい感じがしていました。
ギリシャ神話もしかり、日本の神話もしかり、です。
去年、子ども達の七五三で神社に行き、祈祷をしてもらったのですが、お土産に「神武天皇」という絵本をいただいて帰ってきました。
「神様達がこの世(日本)を治めていた頃」のお話が書かれてあり、これだけ読んでも、さっぱり内容が飲み込めず、神話は難しい、とつくづく感じておりました。

そんな折、図書館でとても分かり易い神話のシリーズに出会いました。
6冊ほどずらり並んでおりましたが、「神様がこの世お作りになった」ことから1巻目の話しが始まります。
子ども達のためにというよりは、個人的に母の興味で借りてまいりました。

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日本の神話〈第1巻〉くにのはじまりは、この世に最初に作られた神「イザナギ(男神)とイザナミ(女神)」の二人から始まります。
イザナギとイザナミがこの世に生まれるまでは、世界は「水に油の浮いたようなもの」だったのです。
イザナギとイザナミは、天から地まで届くほどの長い長い「鉾(ほこ)」で“水に油が浮いたような"この世をゆっくりとかき混ぜました。すると、島々が出来上がりました。これが、イザナギとイザナミの初めての子「日本(の島)」です。
イザナギとイザナミはこの世におりてきて結婚式をあげました。そして二人でたくさんの子を作りました。それは神であったり人であったり、山であったり、この世にある全てのものです。
イザナミは最後に「火の神」を産みました。ところが火の神の火が燃え移り、イザナミはやけどををって死んでしまいました。
死んだ後は「黄泉の国」という所へ行かなければなりません。イザナミは黄泉の国へ行ってしまいました。
イザナギはイザナミが恋しくて、大変心を痛めました。会いたい、会いたいという思いが募り、ついに、イザナギは黄泉の国へ旅立ちます。
黄泉の国の入口は固く厚い岩の扉でした。イザナギは扉の前から声をかけます。
「イザナミよ。もう一度会いたい。出てきておくれ」
イザナミは黄泉の国から答えます。
「あぁ、あなた、どうして今頃来てしまわれたのですか。私はもう黄泉の国の食べ物を食べてしまいました。もうそちらの世界には帰れません。ですが、もう一度帰れるよう黄泉の国の神に頼んでみます。そこでお待ちになって下さい」
イザナギは扉の前で待ちました。
待てども待てどもイザナミはやってきません。
しびれを切らしたイザナギは、ついに厚い岩の扉を開けて黄泉の国へ足を踏み入れてしまいました。
中へ入っていくと、イザナギが居ました。
死んだイザナギの体は腐り、腐ったからだから次々と雷神達が産まれておりました。
そのぞっとする光景をみてイザナギは逃げ出しました。
後からイザナミの声がしました。
「どうしてみてしまわれたのですか。待っていてといったのに!!」
イザナミは怒り狂い、女鬼や雷神を使ってイザナギを追い立てます。
イザナギは頭に付けていたつるを後ろに投げ飛ばし、逃げました。
投げ飛ばしたつるは、ブドウになりました。
卑しい鬼達は果実にむしゃぶりつきました。
イザナギはやっと、黄泉の国の扉まで来ました。黄泉の国の扉の前には「桃の木」がありました。イザナギが桃のみをつかんでなげると鬼達は恐ろしがってちりぢりになって逃げていきました。
外に出て扉を閉めると、中からイザナミの恐ろしい声がしました。
「私は1日に1000人ずつ、人間を絞め殺してやります」
イザナギは言い返しました。
「では、私は1日に1500人ずつ子供を産ませましょう」

そう言うことで、後の世で、1日に1000人死に、1500人ずつ産まれるようになったとのことです。

イザナミは黄泉の国から帰った後、身についた汚れを清めるために水辺でみそぎを行いました。
体を清める内に次々と神が産まれました。
体を清めた後に産まれた神の中で、次の3人の神がおりました。
日の神:天照大神(あまてらすおおみかみ)(女神)
月読の神(女神)
須佐之男(すさのお)(男神)

天照大神には高天の原(神の国)を治めさせ、
月読の神には夜の国を治めさせ、
須佐之男には海上を治めさせることにしました。
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これで第1巻は終わりです。

第2巻子ども達はすぐ読みたい!!と大騒ぎ。
我が家ではすぐ読んであげましたが、ブログでは後ほど、ご紹介しますね。




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