大切なお友達

評価:
マデライン・エドモンドソン
あかね書房
¥ 1,470
(1978-11)

JUGEMテーマ:読書


とっても素敵なお話です。

あるところにとてもひねくれ者で意地悪な魔女がいました。
魔女は山の中の鷹の巣に、ずっと一人で暮らしていました。
もちろんお友達なんかいません。
お友達がほしいとも思いません。

魔女はこれまでだって、今も、一人でへっちゃらなのですから。


魔女の仕事は、夜街に生き、人々を怖がらせることでした。
毎晩毎晩、夜になると街へ出かけ、それは上手に人々を怖がらせます。

ある時、魔女がいつものように仕事に出かけると、空になった鷹の巣に、カッコウがやってきました。
カッコウは、ほかの鳥の巣にわざと卵をうみつけ、雛を育ててもらう鳥です。
カッコウは魔女のすむ鷹巣に暖かそうな肩掛けがあるのを見つけると、そこへ卵を産んで飛び去って行きました。

さて魔女は帰ってくると驚きました。見たこともない卵がそこにあるのですから。
そして心配する山の鳥たちの声をよそに、魔女が自分で卵を温め始めました…

すると13日目に…



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初めての雛育てで、魔女は変わっていきます。
いつの間にか雛は魔女にとって大切な存在になって行きました。
むしろ大切な「友達」になっていたのです。


魔女にとって大切な愛しい存在への思いと、広い世界へ飛び立とうとする雛の思い。
母が子思う気持にも似ています。

今までたった一人の友達もいなかった魔女が、たった一人の大切な雛にであう素敵な物語です。
ぜひ、読んでみてくださいね。


夢いっぱいの公園で。

こうえんのシロ―なつのよる (ママとパパとわたしの本)
こうえんのシロ―なつのよる (ママとパパとわたしの本)
わたなべ ひろみ

子供たちが小さいうちは、本当によく公園に行きました。
今でも子供たちとのんびり時間を過ごす感覚が気持ちよくて、天気の良い日には時々出かけます。

遊具は、その公園それぞれに特徴があって、ここの公園のすべり台が好き、あそこの公園のアスレチックが好き、という風に、子供たちもいろいろな公園ごとに楽しみ方が違う様子です。

その公園のの遊具たちが、まほうで動き出したら、どんなに楽しいでしょう!そんな夢いっぱいのお話が、こちらの「こうえんのシロ―なつのよる 」です。

「こうえんのシロ」は、公園の安全を守るわんわんパトロール隊の6匹の犬のなかの一匹です。
年齢も性格も様々な6匹の仲間たちが、子供たちの笑顔を守るため、さまざまな出来事に向かっていきます。

お化けも出てきますし、お祭りも、花火も出てきます。
まるで夏の夜のお楽しみが勢ぞろいした感じ。

ちょっとだけボリュームのある絵本ですが、読み聞かせてあげれば幼稚園でも楽しめる絵本です。

ぜひ、読んでみて下さいね。





もしも魔法がつかえたら

つんつくせんせいととんがりぼうし (えほんあらかると)
たかどの ほうこ

ついに長男が小学校に入学して1週間。
毎朝どたばたとご飯を食べさせて、朝7時10分に家を出します。
とにかく出発するまでは戦争のような忙しさですが、子供は子供で、突然の環境の変化についていくのだけで一生懸命の様子です。
それでも小学生。マイペースでよいから、頑張ってほしいなと願っています。

昨夜は、長男の好きな「つんつくせんせいととんがりぼうし 」を読みました。

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工作下手なつんつく先生が、やっとのことで作り上げた発表会用のとんがりぼうし。魔法使い役の先生がかぶるためのぼうしです。
つんつくせんせいは、ちょっぴりよれよれ、のりでべたべたの帽子をかぶり、意気揚々とお散歩です。

お散歩に行くと、何やら人ごみが。一人の男と一匹の猿が、なにか芸当をやっているようです。
芸人は、つんつくせんせいのぼうしを「ちょっとお借りしますよ」といって芸に使い始めました。
芸が終わるとお金を集めるときにも、つんつくせんせいの帽子を使いました。
つんつくせんせいは憤慨します。
が、芸人と猿は、そのままぼうしを借りていたことも忘れ、帽子を猿にかぶせたまま帰ってしまいました。

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結末は、ちゃあんと、帽子が帰ってきます。
「まほう」のおまけつきで。



さて、我が家の子供たち。9歳の長女と8歳の二女は、さすがに魔法と手品の違いもわかり、魔法なんてそうそうできるものではないということも分かっています。
が、夢いっぱいの6歳長男。まだちょっぴり魔法を信じてくれています。
ないはずのチョコレートを母が出して見せると、「すごーい!どうして???」
ま・ほ・うで だしたの♪」
「へぇー!!おかあさん、すごーい!」
なんていうやり取りができます。小学校に入学した今でも。

夢いっぱいなのは良いことです。世界が楽しくなりますから。

つんつくせんせいととんがりぼうし 」は、そんな夢いっぱいの気持ちになれる物語です。
ぜひ読んでみてくださいね。


36人のパパ

36人のパパ
36人のパパ
イアン・リュック アングルベール, Jean Luc Englebert, ひろはた えりこ

意外と子供って、自分の親をいろいろな角度からみて評価しています。結構シビアに。
「○○君のお母さんは、○○君がいたずらしても怒らないんだって!」
「お母さんって、恐竜より怖いよ!」
「もう、お母さんたら〜〜」
私も子供たちからこんな言葉を何度言われたか知れません。
子供が要求したことのうち、私はきっと半分も答えていないかもしれません。

…そんなことを思いつつ、こちらの絵本「36人のパパ」を読んでみました。
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主人公の女の子は、とある休日に、お父さんと二人で過ごします。
なんか楽しく過ごしたいと思う女の子に対し、お父さんはさっぱり応えてくれません。
「疲れてるんだ」「本の部屋から何か本を持ってきて読みなさい」
女の子はお父さんに対する不満を感じながら本の部屋に行きます。
本の部屋には興味のない本がずらり。
女の子はその部屋の本棚にきちんと置かれた本ではなく、汚い箱に入った本を手にとって見ます。
それはなんと、魔法のかけ方が書いてある本でした。
女の子は早速…
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女の子は、「こんなパパがほしい」と思い描いたパパを次々に出すのです。
パパは全部で36人。

さて、女の子は楽しく過ごせるでしょうか?

是非、読んでみてくださいね。


魔法話

まじょだ!
まじょだ!
スエリ ピニョ, S. Pinho

一見おろそしい魔女の、ちょっとした優しさが描かれています。
置き換えれば、一見怖そうな人の、ちょっとした優しさが、描かれています。

恐ろしい魔女が、ちょっとした思いつきで、キリンを魔法で小さくし、ペットにします。
キリンは、魔女の気に触ることをしてしまうのですが、魔女は、その度に怒りながらもキリンを許します。
いつもの魔女らしくないことをした魔女は…。
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子ども達と「どうしてだろうね?」の感想を話し合いながら読めるお話です。
ぜひ読んでみてくださいね。

まほうをわすれたまほうつかい

まほうをわすれたまほうつかい
まほうをわすれたまほうつかい
デイビッド・マッキー, 安西 徹雄

ディビットマッキーさんのすてきな作品に出会いました。
昔、私が子どもの頃「るすばんをしたオルリック」が好きでしたが、こちらもディビットマッキーさんの作品。
表紙をぱっと見たところ「るすばんをしたオルリック」と同じ作風の作品ですが、まほうをわすれたまほうつかいのほうは、ページをめくるとほとんどモノクロで色が無く、所々のページに色彩感豊かないろが使われています。それが何となく逆に目をひく作品です。

さて、このお話はみんなのためにとってもよく働く王様付きのまほうつかいの話です。
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王様が「暑い」といえば太陽を隠し、何から何まで魔法でお世話。王様のお世話が終われば国中の人々のお世話をしてやります。道具が壊れたから魔法で治してやり、仕事も魔法で手伝ってやり、などなど。
ところがある日、魔法使いはいつものようにまほうの呪文を唱えると、効き目がありません。何度唱えても、大声で言ってみても、魔法がかかりません。
魔法使いはまほうの力が無くなってしまいました。
さぁ、大変です。…

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本当の意味で人の役に立つって何だろう?…という問いかけをしてくれる絵本です。
とてもステキなお話です。ぜひ読んでみてくださいね。

まじょっこ「チャッピー」シリーズ

おえかきだいすき
おえかきだいすき
井上 よう子, 滝原 愛治

こちら、まじょっこチャッピーの絵本はシリーズで数冊(5、6冊でしょうか)あります。お話がテンポよく進み、読みごこちのよい楽しい絵本です。

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おえかきだいすきはチャッピーがお母さんの留守中にいたずらするお話です。お母さんは「おかあさんのへやにはいっちゃだめよ」といって出かけたのに、おかあさんがいなくなると早速お母さんの部屋で何か楽しそうなものを探すチャッピー。
そして、ちょっとおしゃれな箱に入ったクレヨンを見つけるのです。
箱には「とびだせ ぱららんぱ」と書いてあります。
チャッピーは紙にお人形の絵をかいて「とびだせ ぱららんぱ!」といってみました。するとあら不思議。描いた絵が本物の人形になりました。
チャッピーは喜んで壁一面にほしいものの絵を描き始めました。

……
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チャッピーがとても子供らしくて楽しい絵本です。

魔法話

レオくんたたかう
レオくんたたかう
寺村 輝夫, 永井 郁子

絵本といっても小学生向けの装丁ですが、レオくんたたかうは「アババレオーー!!」というレオくんの、キメ言葉が大好きで、よく読んでいます。

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レオくんは、赤ちゃんです。
でも魔法使いです。
レオくんはケショおばさんに預けられて育ててもらっており、ワニの「マンバ」くまの「パ」コウモリの「ポポ」と一緒に過ごしています。
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初めは「くまの“パ”???へんななまえ!」と思ったのですが、魔法と不思議がいっぱいのレオくんの世界へ引きずり込まれます。
寺村輝夫さんはさすが、という感じもします。

小学生向けですので小学生以上の子が自分で読んでももちろん良いと思いますが、読み聞かせなら、幼稚園年少ぐらいでも充分楽しめます。

まほうつかいのパパ

まほうつかいのにちようび
まほうつかいのにちようび
西山 直樹

絵本の世界には「こんな○○があったらいいのに」「こんな○○がいたらいいのに」がたくさんありますが、こちらの絵本は「こんなパパがいたらいいのに」と思わせられるお話です。

「魔法が使えるからステキ」ではないんです。
かくれんぼしてくれるパパ。お料理してくれるパパ。
パパと子ども達が一緒に暮らし、楽しむ。
そんなところがとってもステキなお話です。

魔法使い

まほうつかいのナニーヌーニー
まほうつかいのナニーヌーニー
エドワード フラシーノ, Edward Frascino, 小川 仁央

このお話には良い魔法使いと悪い魔法使いが出てきます。
良い魔法使いはおばあさん、悪い魔法使いは黒い鳥です。
ですが、お話のラストまで、どちらが良い魔法使いでどちらが悪い魔法使いか、分かりません。
嘘をついているのはどっちだ???と想像を巡らせながら読んでいけます。

子ども達はお話を聞いている間、「どっちだ!?」というドキドキの、とってもいい顔をしていました。

幼稚園から小学校3年生ぐらいまでは楽しめる絵本だと思います。
是非どうぞ。

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