学校では教えない歴史
全身けむじゃくらで、その姿はサル。
仲間同士の「毛づくろい」はコミュニケーションの一つで、
お互いに毛についた虫を取り合いっこしていたわけですが、
「体の毛皮は暑苦しいし虫がたかる。」
というわけで、毛皮の面積は、
長い年月をかけて進化していくうちに、どんどん小さくなっていったわけですが、
最終的に、頭のてっぺんだけ日差しから守ればいいや、
ということで、今の形に進化しているようです。
この絵本は、そうやって、人には「髪の毛」がある状態になってからの、髪の毛にまつわる歴史の絵本なのですが、
雑学といえば雑学、でも大人でも興味深い髪の毛の歴史、カツラの歴史について、掘り下げて書かれてある絵本です。
まず「ドレッドヘア」。
起源は約5000年前のナイジェリア。
ここではヘアスタイルは一つの芸術として考えられ、髪の毛が絡まって生まれてきた子は、生まれてすぐに髪の毛を編んで、「ドレッドヘア」にしたのだとか。
次に「カツラ」の起源。
エジプト人は暑い中で、髪の毛に虫がつくのを避けるため、髪の毛は女も男もつるつるにそり上げていました。
つるつるの頭を、どうやって日差しから守ればいいのか、ということで登場するのが蜜蝋でかためてつくった「カツラ」です。
カツラ職人という人たちがいて、当時は赤い色で染め上げるカツラが流行。
「ヘンナ」という植物と、牛の血を混ぜてつくった染料でした。
裕福な人たちはそのすてきなカツラを手に入れると、本物の金粉をふりかけて、頭に着けていました。
王に至ってはカツラのほかに「作り物のアコヒゲ」つくり、男性のみならず、女性も付けていました。
そして「世界最古のヘアケア」
その昔は薬品ではなく、逆立ちやマッサージで髪を強くしようとしたようです。
面白いのは「世界最古の毛生え薬」。
大昔の人々にとっても、
いくら進化の過程で毛皮の面積が小さくなったとはいえ、「頭の髪の毛がはげていく」ことは現代と同じく悩みの一つだったようで、
オリーブオイルやその他の材料(アヘンや西洋わさびや、ハトのフン)を使い、毛生え薬を考案されたようです。
毛生え薬は時と地域に応じて、様々な材料で作られていますが、
中には動物の死骸や糞なども用いられ、
「薬」というよりも「おまじない」に近かったのだろうか、と思われるものもあります。
遠く昔から、人は、機能とデザイン性の両面を追い求めて髪の毛と付き合ってきたことがわかります。
その時代ごとのファッションの流行により、カツラの形も特異に変遷していることもわかります。
また、遠い昔の人も「はげる」ことは今と同じ悩みだったこともわかります。
髪の毛のおしゃれにまつわる歴史、
毛生え薬にまつわる歴史、
「髪型」の変遷、
カツラの形の歴史、
色々な事が書いてあって、大人が読んでもとても興味深いお話です。
ぜひ、読んでみてくださいね。
JUGEMテーマ:読書
- 2012.06.05 Tuesday
- 世代を問わず
- 09:08
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- by atu