グリム童話 ラプンツェル

JUGEMテーマ:読書


グリム童話としてはあまり知られていないお話かと思いますが、この絵本、とってもおもしろいグリム童話でした。

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まずはじめは、子どものいない夫婦から始まります。
子供がほしい、子供がほしい、、、と思っていた夫婦に、ある時やっと、子どもが授かりました。奥さんのおなかに、赤ちゃんができたのです。
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…こんなシチュエーションから始まりますから、童話の世界の王道としては、生まれた子を夫婦で大事に育て、また生まれた子は、生まれながらに不思議な運命を背負っているとか、そんな安易な予想を抱きながら読み進めてみましたが、このお話はまったく違うものでした。

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夫婦の家の隣には魔法使いが住んでいました。高い塀に囲まれた、その魔法使いの家は、みんな怖がって、誰も入ろうとしない家でした。
でも魔法使いの隣に住む夫婦の家の2階の窓からは、魔法使いの家の、きれいな庭がよく見えました。奥さんは2階の窓から魔法使いの庭を眺めているうちに、お庭に咲くラプンツェルが目に留まりました。
それはとっても青々していてみずみずしく、とてもとてもおいしそうなラプンツェルでした。
奥さんは見れば見るほどこのラプンツェルを食べてみたくなりました。
このラプンツエルを食べられなければ、死んでしまう、と思うほど、食べたくてたまらなくなりました。

奥さんは旦那さんに話しました。旦那さんは奥さんのために、魔法使いの庭に忍び込みました。そしてラプンツェルをもぎ取ると奥さんに持って帰りました。

奥さんはラプンツェルを食べてみました。とてもとてもおいしい味がしました。
そしてもっともっと食べたくて食べたくてたまらなくなってしまいました。

旦那さんはまた魔法使いの庭に忍び込みました。
ところが今度は魔法使いが待ち構えていたのです。
旦那さんは奥さんがラプンツェルを死ぬほどほしがっていると話しました。
魔法使いは言いました。
「それならラプンツェルをあげよう。ただし、赤ん坊が生まれたら私にその子をくれること!」

恐ろしかった旦那さんはその恐ろしい約束に対しても「はい、はい」とうなずいてしまいました。

そして赤ん坊が生まれると…
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あまり見たことのない展開で、結末が読めない物語です。
ぜひ、読んでみてくださいね。


ミリー - グリム童話 

ミリー―天使にであった女の子のお話
モーリス・センダック,神宮 輝夫,ラルフ・マンハイム

センダックの絵が、とっても素敵で手に取った絵本でしたが、読んでみてとっても驚かされました。

あとがきを読むとわかりますが、1816年にヴィルヘルム・グリムが、母を亡くしたミリーという少女に、実際に送った手紙に添えられていた物語です。
ある意味、グリムから少女への、まったくの個人的プレゼントとして描かれた物語。
ずっとその少女の一家がこの物語を所有していて、その150年後に「発見」され、センダックが5年がかりで絵を書き添え、出版に至った絵本です。

グリム童話と言えば、「ヘンゼルとグレーテル」、「シンデレラ」、「赤ずきんちゃん」、「ブレーメンの音楽隊」…あまりにも有名で広く世界中で知られている物語がたくさんありますが、この物語の良さは、ひときわ際立っていると感じます。
親が子を思う愛情や、戦争の悲しみや、神のご加護や、ひと時の幸せや、人生の残酷さなどを、やさしい言葉で、ギュッと閉じ込めてある絵本です。

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昔、夫に死に別れたおんなの人が、ある村のはずれに住んでしました。
自分のものと言えば、庭のついている小さな家だけ。子どもたちも次々に死んで、たった一人元気でいる一人の娘を、それはそれは大事にしていました。


あるとき、国中ではげしい戦が始まってしまいました。大砲の音も、大空いっぱいに響き渡りました。
母親は思いました。なんとしてでもこの子の命は守ってやりたいと。

母親は娘を、どんな敵でも決して寄せ付けない森の奥へ逃がそうと心に決めました。娘のポケットにケーキの残りを一切れ入れてやり、こう言うのでした。
「いいかい、これから森へ連れて行ってやるからね。森に着いたら、おまえは、もう大丈夫というところまで、どんどん進んでいくのだよ。そこで3日の間じっと待ってから、戻っておいで。」

娘は、母親の言いつけどおり、森の奥へ奥へと、進んで行くのでした…。

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結末は、ハッピーエンドともいえ、ある意味アンハッピーであるともいえます。
まったく予想のつかない展開で、最後の最後まで「え!」と驚かされる物語。
母は母なりに、子は子なりに、それぞれの解釈で、すうーっと体にしみいるような物語でした。

繊細で、自然で、やわらかなタッチの、センダックの絵も本当にみごとです。
ぜひぜひ、読んでみてくださいね。

あいててて!―グリム童話

あいててて!―グリム童話
ヤーコプ・ルードヴィヒ・グリム, ヴィルヘルム・カール・グリム, ナタリー・バビット

挿絵がとっても美しいのに惹かれて、図書館から借りた絵本です。

なんとなく不思議な絵本。「あいててて!」という題名が書かれているのは本の背表紙のほうで、表表紙には絵しか描かれてありません。
さらには「あいててて!」という題と物語の不一致感。

よくある絵本、よく聞くグリム童話とはなんとなく印象の異なる絵本ではありますが、このお話、とにかく面白い物語です。

典型的なよくばり&いじわる王様が登場します。
また典型的な貧乏な家にうまれた男が登場します。
さらにはこれまた典型的な、王様の一人娘と、一般市民にすぎない青年の「一目見てお互い好きになりました」という展開があります。

なのに、この物語はどのお話ともちがう展開、どのお話ともちがう雰囲気をいっぱいに詰め込んであります。
結末もなんだかありそうでない形。

さて、タイトルの「あいててて!」
お話の中でたった一言このセリフが登場します。
誰が言った言葉なのかは、ぜひ読んで確かめてみてくださいね。
なんか面白い!と思える絵本です。お勧めです。


グリム童話

母的には、余りにもよく知っていて面白くないお話ではありますが、子ども達は何度読んでもまた読んで、というお話、それがグリム童話です。
子ども向けに簡略化されたお話が多くて、母的には更に面白くないのですが、就寝前にちょっと読んであげるにはちょうど良いお話が多いので、時々読みます。

図書館から借りてきた「よみきかせ おはなし絵本1-昔話・名作20-」(千葉幹夫編著/成美堂出版)から、グリム童話を2つ読みました。
おおかみと七ひきのこやぎ
赤ずきんちゃん
です。

何度も何度もお話を読んで知っているのに、子ども達には面白いんですね。
お話の魅力、絵本の魅力の凄さを感じます。

この「よみきかせ おはなし絵本」は簡単な漢字にふりがなが振ってありますので、1人で読ませるにもちょうど良い絵本です。
お話を分かっているからこそ、文字を覚えたての子でも1人読みがしやすく、負担にならずに楽しく読める良さがあります。

ホレのおばさん2

ひさかたチャイルド発行の「ホレのおばさん」の後書きに、「ホレのおばさんとは?」ということが書いてありました。
ホレのおばさんは女神様で、普段、女神の姿ではなくわざとおばあさんの姿をすることで、人それぞれのの本質を見抜くのだとか。
この世に生まれてくる前の子ども達の御世話も、ホレのおばさんのお仕事だとか。

ドイツでで知られている女神様なので、今でもドイツでは、雪が降ると、「ホレのおばさんが(布団の)羽毛をとばしているぞ!」と言うのだそうです。

「ホレのおばさん」すこーしわかって、お話もより理解できそうです。

ホレのおばさん

「ホレのおばさん」はグリム童話です。
よくある「美しく優しい娘が、継母にいじめられているが、不思議な出会いで幸せになる」構図の物語です。

個人的には「継母だからって意地悪と決めつけないで」欲しいと思い、このような構図の物語は白雪姫で充分です、という思いなのですが、グリム童話をいろいろ読んでみたいと思い、図書館から借りてきました。

この本の中で「ホレのおばさんが雪を降らせたぞ!」と子ども達が言います。
「ホレのおばさんが雪を降らせる」言い伝えが、どこかの国にありそうで、そのお話を、別の絵本との出会いの中で発見していきたいと思いました。

まほうのくびかざり

紙芝居で童心社から出版されているグリム童話の「まほうのくびかざり」を読みました。
こわーいお話と表紙に書かれていて、読む前から子供も母もどきどき期待。
話の中で、ハトがキーマンになって登場するのですが、このハトも「悪いハトなのか良いハトなのか」最後の方まで予想が付かず、展開が面白いお話です。

個人的にはヘンゼルとグレーテル並みに面白く、大好きになりました。

おおかみとしちひきのこやぎ

毎日毎日絵本を読んで、これでもかというほどすばらしい作品にも出会って、年間読書数は1000冊をくだらず、(〜1500冊ぐらい)絵本を読んでいる毎日なのに、みつければ子どもが選びたがる絵本の1つが、この「おおかみとしちひきのこやぎ」です。
個人的にはあまり「王道」は好みではないのですが、子どもが何度読んでも選ぶ本の1つなので、「こんなに選ばれるって、すごい絵本」という印象を持っています。
絵本は新しい出会いもありますが、毎日毎日安定的に同じ絵本を繰り返す事にもそれなりの良さがあります。色々読む中にも、繰り返し読むことで安定感をもたらしてくれる絵本です。

絵本好きの方にはきっとそれぞれの「繰り返し読む絵本」があるのでしょうね。


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