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評価:
いとうひろし
ポプラ社
¥ 1,260
(2010-09-08)
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震災の復興で大変な時期ではありますが、
私の父は今日69歳の誕生日を迎えました。
…とはいいつつも、今朝の時点ではそんなことはつゆほども頭になく、
韓国に嫁いだ姉からの電話で、「今日おじいちゃん誕生日だよね」といわれ、
「そうだった!!」と気付いた私&我が家の家族でした…(*_*;
大きな余震の翌日ですから、誕生日どころではないことは仕方がないことです。
でも、古希の祝いの年でしたから、ささやかに、お祝いでもしたかったなぁ、という気持ちがありました。
そんな中。
娘は家に買い置きしてあったブラウニーのミックス粉を使って、おいしいブラウニーを作ってくれて、夕食後に、家族で、本当にささやかに、「お誕生日おめでとう」といってケーキをいただくことができました。
本当はブラウニーのミックス粉に牛乳と卵を入れるのですが、この震災で牛乳は売っていません。
近くの商店をいくつか回って、「ま、仕方がないからこれでもいっか。」といって買ってきた牛乳ならず「乳酸飲料」を入れてつくってくれましたが、これまた意外といけるお味で、しっとりとおいしく焼きあがり、家族にはとっても好評のブラウニーでした。
小学生の娘が作ったささやかなケーキではありますが、ともかくお祝いしてよかったな・・・と思っておりましたところ、夜になって、おじいちゃんは自分の部屋で小さな小箱を見つけて出てきました
「これ、誰が(プレゼントしてくれたの)???」
と言っています。
ぐるり子どもたちを見まわして、だれがプレゼントしてくれたのかすぐわかりました。
おじいちゃんっ子の長男です。
手作りの小箱に、リボンが掛けてあります。
中に入っていたのは…
「おたんじょうびおめでとう」とかいた長男の文字と
一つのフィルムケース。
そのフィルムケースの中には、「ひまわりの種」がぎっしり!
昨年、長男がおじいちゃんと二人で育てたひまわり。そのひまわりから長男が大切にとっておいた種でした
思いがけない孫からのプレゼントに、とっても喜んだおじいちゃん。
震災で心も折れそうな中にあっても、心を支えてくれるのは、そんな人から人への心づかいなのでしょう。
本当にささやかな物でも心から人を元気づけてくれます。
「がんばろう日本!!」という掛け声はもちろん、気持ちを奮い立たせてくれます。
と、同時に、こんな風にささやかな心づかいも、大きな心のパワーになると感じたヒトこまでした。
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…さて、こんな我が家の話とは関係ありませんが、誕生日つながりでこちらの「ルラルさんのたんじょうび 」をご紹介します。
ルラルさんは、もう退職して一人住まいでもしているようなお年頃の、おじさんです。
ぱっと見、全然、人が好さそうではないし、話しかけやすそうな人でもありません
でも、なんだか不思議と、「庭にいるお友達」であるさまざまな生き物たちと触れ合って、シリーズごとに素敵な物語を展開します。
「ルラルさんのたんじょうび 」では、ルラルさんは自分で自慢のケーキを作ります。
甘い香りに誘われて、「庭にいるお友達」もやってきました。
庭にいるお友達みんながお祝いしてくれて楽しいパーティのはずなのに、ルラルさんは…
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誕生日とは生まれた日。
自分が生まれてきたことに感謝する日。
つまり、「いのち」をお祝いする日です。
今は、日本中、悲しみに包まれて、困難な中を暮らしている人は大勢います。
大変な時こそ、その中で幸せに感じることを見つめて行くことは大切なことなのかもしれません。
ささやかな誕生日のお祝いだけでも、できる方が増えていきますように。
みんなが元気になれますように。
そう願いつつお勧めしたい絵本です。
ぜひ、読んでみてくださいね。