「生きる」とは
えほん いのちのあさがお
あやの まさる,まつもと きょうこ
心打たれる絵本は数あれど、こんなに心を突き刺されるような絵本に出会うことはめったにありません。
7歳の長男に読み聞かせながら、自分が泣いてしまいそうになる絵本でした。
こうすけくんは、とっても元気な男の子。幼稚園の中でもかけっこも早い、活発な坊やです。
なのに、ある日突然、何もしないのに鼻血が出るようになり「だるい」というようになりました。
とっても心配したお母さんはこうすけくんを病院に連れて行き、検査します。
診断された病名は、「白血病」。
こうすけくんは6歳の小さな体で、8ヶ月間も過酷な闘病生活に入ります。
副作用の強い薬に苦しみ、髪の毛も全部抜けおちます。
8か月耐えたこうすけくんは、小学校入学の時期を迎えていました。
お医者さんは退院を許してくれます。
こうすけくんが夏休みにはいったら、また入院するという条件付きで。
こうすけくんは喜んで学校に通います。お友達もたくさん作りました。
学校では、アサガオの種を植えました。
こうすけくんは毎日欠かさず水を揚げ、アサガオのお世話をしました。
こうすけくんは「いつ花が咲くの?」と聞きました。
「夏休み頃よ」と言われ、表情が曇りました。
こうすけくんは夏休みには入院しなければならなかったからです。
入院の時が来ました。またあのつらい闘病生活が始まりました。
こうすけくんは吐き気や高熱に苦しみました。
そしてこうすけくんは…
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読んでいて、もしかしたら死んでしまうかもしれない、と死の予感を抱くこうすけくんの気持ちと、わが子が先に行ってしまうかもしれない恐怖と悲しみにおそわれるお母さんの気持ちを思うと、とても心が痛みます。
この絵本のすごさはこうすけくんが亡くなってしまった後のお母さんの前向きな生き方にも、心打たれる部分が大きいことです。
わが子が先立ってしまったら、何を支えに生きていけばいいのだろうと、想像することも難しいものですが、こうすけくんのお母さんは、とっても前向きに骨髄バンクのボランティアを始めます。
「死」を描いた絵本でありながら、「生き方」を考えさせられる絵本です。
ぜひ、読んでみてくださいね。
- 2009.01.09 Friday
- 涙が出る話
- 21:11
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- by atu