のろまなローラー

評価:
小出 正吾
福音館書店
¥ 840
(1967-01-20)

JUGEMテーマ:読書


言葉を楽しむ絵本としてもおすすめです。

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ごろごろ ごろごろ ローラーが でこぼこみちの さかみちを
ゆっくり登っていきますと、
ぶっぶっぶーっとうしろから、りっぱなじどうしゃが やってきました
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最初から最後までこんなかんじで、やや五・七・五調のリズムをまもってお話が進んでいきます。

トラックや立派な自動車や小型自動車たちがローラーを馬鹿にして追い越して行きますが、ローラーはゆっくりと、でも着実に仕事を進め、のろまでもほかの車たちの役に立っていく物語。

幼稚園ぐらいのお子さんにちょうど良い絵本だと思います。
ぜひ、読んでみてくださいね。


しょうぼうしのトトフ

しょうぼうしのトトフ
しょうぼうしのトトフ
リオネル・コクラン, 石津 ちひろ

こちらの「しょうぼうしのトトフ」は、「乗り物絵本」のカテゴリにくくってしまいましたが、お話がとってもよくまとめられていますので、幼稚園児ぐらいの子ども達にちょうどよい読み物としてお薦めの絵本です。

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トトフは小さな消防士。(おそらく、大人だろうと思いますが…)
「火事です!」の電話を受けたら、すぐジリリリリ…とベルをならして出動の合図を出します。
消防士の仲間達が、急いでやってきて、消防車に乗っていざ出動!の時になると、決まってトトフはおいて行かれるのです。
「誰かが残って掃除しなくちゃならないだろ!」といわれて。
トトフも一緒に行って、火事を消したいのに、「エーン、エーン」と泣く毎日。
ある日、同じようにみんなは出動して、自分だけ残された消防署内で、もくもく煙が…!火事です!!!
さて、トトフはどうするでしょうか…
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締めくくりがとっても気持ちよくまとめられた物語です。
ぜひ読んでみてくださいね。

聞き心地の良い絵本

いたずらきかんしゃちゅうちゅう
いたずらきかんしゃちゅうちゅう
村岡 花子

いたずらきかんしゃちゅうちゅうは機関車が主人公の乗り物絵本ですが、あまり小さい子に読むよりも年中さん以上ぐらいの子ども達にちょうど良いと思います。
挿絵はちょっとした版画タッチのモノトーンでとってもステキなのですが、ある程度の年齢にならないとこの挿絵の良さはなかなか伝わらないし、文章のボリュームも、幼稚園前の小さいお子さんにはちょっと多すぎる感じです。

うちには私が子どもの頃からこの絵本があって、本棚にはずーーーーっと入っていたのですが、興味を持って本棚から引っ張り出すようになったのは、やはり長男が年少ももうすぐ終わりという最近のことです。

そして、文章は「ちゅう ちゅう しゅっ しゅっ」「ちゅう ちゅう しゅしゅしゅしゅっ」などテンポよく読めば耳に心地良い言葉でまとめられています。
是非言葉のリズムを感じながら、読んであげたい絵本です。

ヒコーキが、好き

とべ!ひこうき
とべ!ひこうき
七尾 純, 保田 義孝

昨年末、姉のいる韓国へ家族揃って出掛けておりますが、思い出話を長男に聞いてみました。
「韓国に行って何が一番楽しかった?」
やんちゃな4歳の長男は、「ええっとね、行く時のヒコーキ!」と答えました。
「じゃあ、2番目に楽しかったのは?」
「ええっとね、帰る時のヒコーキ!」…

今までは新幹線や電車に一途な長男でしたが、韓国に行って、美味しい食べ歩きやロッテワールドで色々な乗り物に乗ったことや、うれしいお買い物ではなく、「行き帰りの飛行機」にかなり感動したようです。
実際、飛行機に乗っている間、長男は興奮気味でした。
上昇中や下降中は母はどうも苦手で、椅子の肘掛けにつかまって身を固くしているのに、「たすけてくれー〜!!」とうれしそうに言う長男。
空港では記念の飛行機おもちゃを買って大事そうに持ち歩いた長男でした。
そんな経験から、絵本選びも必然的に飛行機中心となり、幼稚園の図書室からうれしそうに見つけて借りてきた絵本がとべ!ひこうきでした。

読んでみてとても良かったのは、飛行機を詳しく分かり易く説明してあることでした。世界のジェット機をずらりと書いてある表紙裏の絵にも、夢中で見入りました。自分が飛行機に乗る時通ったところはこうだったのか、こういう仕組みだったのか、と確認することができました。

機内でお世話してくれる方々はみんな「スチュワーデス」さんかと思いきや、「パーサー」と呼ばれる方がいることもこの絵本で知り、はて、自分が乗った時のパーサーさんはどなただったかな?お食事のお世話の際、エプロン姿のスチュワーデスさんに混じって、一人びしっと制服姿のまま働いていた方が、パーサーさんなのかな?など、記憶を辿りながら読んで、楽しみました。

ちょうど今、興味のあることに対してばっちり答えてくれる絵本でしたので、長男も満足しておりました。

電車好きの子ども達へ

しゅっぱつ しんこう!
しゅっぱつ しんこう!
山本 忠敬

実物に忠実な描写の乗り物絵本を挙げるなら、山本 忠敬さん作の作品が一番ではないでしょうか。
山本 忠敬さんは電車のみならず自動車や飛行機など色々な乗り物を描かれておりますが、乗り物好きの長男が穴が開くほど見つめて、色々な発見をすることができる非常に細部まで忠実に描かれた挿絵と、乗り物への愛情が感じられる作品が多く、大好きです。

こちらのしゅっぱつ しんこう!は、特急列車の「はつかり」からはじまり、「急行列車」「普通列車」と乗り換えて山の奧の駅までいくお話です。
周りの景色もとてもリアルで、景色を細かく見ても楽しいです。

すぐ読み終わるボリュームなので、2歳頃から4歳頃までの、ノリものずきの子ども達へ、読んであげたい絵本です。

のろまなローラー



乗り物絵本」と一口に言っても図鑑的な絵本あり、赤ちゃん向け、幼児向け、現実に近い物、空想が作った夢のある乗り物絵本ありなど、多種多用です。
ご多分に漏れず乗りもの好きの我が家の長男は、0歳時代は「写真の図鑑」、1歳時代は「短いお話つきの簡単な乗り物絵本」、2歳時代は「実際の乗り物に限りなく近い挿絵の乗り物絵本」、3歳以降は「これはこれ、それはそれ、と使い分け、本当にある乗り物の絵本か、創造で描いた乗り物の絵本か理解した上でいろいろ楽しむ」という道をたどってきました。
そんな長男が2歳頃から親しんでいる絵本「のろまなローラー」小出正吾作・山本忠敬絵/福音館)を読みました。

ローラーとは、道路工事でよく見かけるロードローラーのことです。
ローラーは、その重いくるまで、道をゆっくりと行ったり来たりするのが仕事です。
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ごろごろごろとローラーは、
おもいくるまをうごかして、ゆっくりゆっくり、うごいておりました。
そんなローラーをたくさんのかっこいい車がとおりすぎていきます。
ゆっくりうごくローラーを、みんなは「のろまなローラーくん」といって追い越していきます。
みんなに「のろま」といわれても、ローラーはゆっくりゆっくり進みます。

ローラーの向かう先には「でこぼこ山」がありました…
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でこぼこ道にてローラーの本領発揮、みんなに「ローラーのお陰で道が平らになる」ことを分かってもらえます。

このお話、乗り物絵本としては、山本忠敬さんの書くくるま達が、それぞれに命を宿して描かれてあり、小出正吾さんの文章は、言葉にリズムがあって、簡潔で、小さい子でも最後まで聞けます。なのにストーリーもしっかりあって、「読み物」としても十分に楽しめる絵本です。
「道路標識」もいくつか出てきます。
年長さんぐらいなら、標識の意味まで解説してあげても良いかもしれませんね。

でんしゃえほん



でんしゃえほん」(井上洋介作/ビリケン出版)をよみました。
電車と虫をこよなく愛する男の子へ読んであげたい絵本です。
とても夢のある、「こんなでんしゃがあるといいな」がいっぱい詰まったおはなしです。

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車輪が「足」でできている「おさんぽでんしゃ」
1人1車輌の「ぜいたくでんしゃ」
カブトムシの形の「かぶとむしでんしゃ」
三階建ての「さんかいだてでんしゃ」
ぐるりと輪になった「ドーナツでんしゃ」
階段のぼる「かいだんでんしゃ」
脱皮してきれいになる「ペンキぬりたてはるでんしゃ」
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我が家の長男は虫も電車も大好きなので「かぶとむしでんしゃ」に目を輝かせておりました。
あなたはどの電車が好きですか?

でんしゃでいこう/でんしゃでかえろう



でんじゃでいこう でんしゃでかえろう」(間瀬なおかた)は乗り物絵本であり、仕かけ絵本でもあります。
表から読むと、「でんしゃでいこう」よみおわって後ろから読むと「でんしゃでかえろう」となります。

我が家の長男が乗り物絵本好きなので、図書館好きの私ではありますが、何となく「購入」した絵本です。
でも、この本に関しては借りるより買って正解でした。
毎日本棚に置いておくと、「時間のない時の読み聞かせ」にもちょうど良い短さだし、気分で「今日は“かえろう”から/今日は“いこう”から」と選択できて、「内容が簡単ですぐ覚えられる本」の割には、何度も繰り返し読んでいます。

お話は短くシンプルですが、挿絵は詳しく見ると楽しいです。前から読んでも、後ろから読んでも、登場人物のセリフなどを挿絵を見て想像しつつ、読み進められます。

買ってすぐは「なんだ、これだけ?」と思うのに、何度も読むうちに味わい深く感じる、ふしぎな絵本です。

だんぷのがらっぱち

ダンプのがらっぱち」(わたなべしげお文・山本忠敬絵/偕成社)を読みました。男の子の大好きな「乗り物絵本」の中でもストーリーがしっかり出来上がっている絵本です。

ダンプの「こんごう」くんは、とてもお利口なダンプトラック。
危険運転・迷惑運転はもちろんしない、標識・制限速度もきっちり守ります。
ある日、人相の悪いトラックに「のろまー!しんまい!」と怒鳴られます。
散々怒鳴られてこづかれて、とうとう、こんごうは怒り狂います。
迷惑運転・危険運転の繰り返し、道路はとばせるだけとばし、荷物は積めるだけ積む。そんなこんごうは「がっらぱち」と名を変えました。
ついには、事故や無理な積載でこわれてしまうがらっぱち。

子ども達の感想は、「悪いトラックがこんごうを悪くした」でした。
母は「そうね。でもからかわれたのは1度だけ。その後ずーーっと危ない運転をしていたのは、やっぱりこんごうの責任じゃない?」

「だんぷのがらっぱち」は、日常に直結した「交通」の話題にもつながって親子でいろんな感想を言いました。
ただ乗り物を見て楽しむだけじゃない「乗り物絵本」は子どもの成長に合わせて沢山読んでいきたいです。

いたずらねこのミロ

お話も面白くて、乗り物もステキ、というお話が乗りもの好きの長男のお気に入りです。
乗り物絵本と一口にいっても乗り物を本物に忠実に描いたもの・話の中で乗り物が多く出ているもの・乗り物図鑑系など様々ですが、この「いたずらねこのミロ」(深見春夫作/PHP研究所)は「話の中で乗り物が出てくる」系です。
「話」がお世辞抜きに面白い・「乗り物」が半端じゃなくステキというおすすめ絵本です。
「クジラ型のクルマ」が出てきますが、男の子だけじゃなく、女の子にとっても感動ものです。

ミロはただのねこじゃなくて「化ける」ねこなのでそのおもしろさも加わって、我が家の子ども達は3人みんな大好きな絵本です。

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