「塩」と「お姫様」

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「しおとおひめさま」

というこの題名からは、内容は想像しにくいものがありますが、

その題の通り「塩とお姫様」のお話です。

「お姫様」のお話に、なぜ「塩」がでてくるのかが不思議ですが、

そもそもその疑問こそが、このお話のいわんとしていること。

「塩なんて」
「なぜ、唐突に塩が?」

と思ってしまいますが、
このお話が伝えたいのは、

富むものも、富まないものも、
皆にとって大切なものは
キラキラ光る宝石ではなく、
お金でもなく、

食べていくこと。
命を守ること。

宝石よりも、一握りの塩が
命を守るうえでは大切であることが、
よくわかるお話です。

ぜひ、読んでみてくださいね。

ヘンゼルとグレーテル

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ちょっと挿絵のタッチが独創的な、井上 洋介さんの挿絵による
「ヘンゼルとグレーテル」
のご紹介です。

挿絵は独特なタッチではありますが、
お話はすごく「ヘンゼルとグレーテル」らしい、基本形。
お話自体に独特のアレンジは加えられていませんので、
「ヘンゼルとグレーテル」を初めて読む方にもお勧めの一冊です。

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お話は、とある貧乏な4人家族の、とある夜から始まります。

その家族は、
おとうさんと、
継母と、
お兄さんと妹の2人兄弟。

食べ物がなく、明日のパンにも困る状態で、
継母は、お父さんにこんな提案を持ちかけます。

「明日、森に子供たちを連れて行って、
 置き去りにしてきましょうよ。
 どうせ子供たちだけではかえってこれやしないよ。
 家には食べるものもないんだから、
 口減らしをしないと」

この継母の恐ろしい提案に、お父さんは反対しますが、
結局継母のいいなりになってしまうお父さん。

それに、お腹をすかせて眠れずにいた子供たちは、
この夫婦のやり取りを聞いてしまっておりました。

泣き出す妹に、お兄さんのヘンゼルは
「大丈夫だよ」
といってあげます。
そして自分たちだけで家に帰れるようにするために、
目印となる光る小石を集めておきます。



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一般的に、血がつながっていなくても、
精一杯愛情をかけてわが子を育てているお父さんやお母さんはたくさんいますから
昔話に定番の「継母が悪い」という構図は、
どうにも納得できるものではありませんが、

このお話で一番子供に伝えたいのは

「生きようとすること」

ではないかと思います。

絶望的な局面に立ったとしても、
解決策が見つからず、
長くて暗いトンネルを歩いているような時でも、

生きようとする力を、失ってはいけないよ。

ということではないかと思います。

ヘンゼルとグレーテルも、
子供たちに伝えていきたいお話の一つです。

ぜひ、読んでみてくださいね。





グリムの昔話より 〜「白いヘビ」

評価:
矢崎 源九郎,乾 侑美子,植田 敏郎,グリム
童話館出版
¥ 2,100
(2000-11)

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毎晩本を読んでいると、すぐ図書館から借りてきた本を読みつくしてしまうので、
こちらの本のように「一冊の中にたくさんのお話があつまっている本」は毎日読んでもまだ残りのお話を読む楽しさがあり、助かります。

こちらの「グリムの昔話」は小さいころから今までに暗記するほど読んだ「オオカミと七匹のこやぎ」のお話から始まります。
今までいやというほど読んだ「オオカミと七匹のこやぎ」。
あまり興味はそそられませんでしたが「もしかしたら新たな発見があるかもしれないから」
と読んでみました。
…やっぱり、覚えている通りの「オオカミと七匹のこやぎ」。とくに新たな発見もなく、終わってしまいましたので、
「それじゃあ、目次をみて、見たことがないグリム童話を読んでみよう」
ということになり、見つけたのが「白いヘビ」というお話です。

今までにたくさんの絵本を読む中で、たくさんのグリム童話にも出会ってきましたが「白いヘビ」というお話は出会ったことがありません。
ほかにも本の中には読んだことのないグリム童話がたくさんあり、
「グリム童話なんて知っているさと思っていたけど、知っていたのはほんの一部だったのね」
という気づきがありました。

さて、こちらの「白いヘビ」。
物語は日本の「きき耳頭巾」に一部よく似ています。
「きき耳頭巾」では不思議な頭巾をかぶることで、動植物の話声が聞こえてくる、、、という物語ですが、こちらの「白いヘビ」は、とある王様が誰にも中身を見せずに大事にしている箱の中にある「白いヘビ」を一切れ食べることで、いろいろな動物たちの話声が聞こえる、、、という物語です。

「白いヘビ!?食べる〜!?」

と衝撃を感じてしまいますので、そこは日本の昔話と、グリムの生まれ育ったドイツのの昔話との文化の違いなのかもしれませんが、それによって得た不思議な能力で、その後の人生をハッピーに進めていくことろは、本当にきき耳頭巾とよく似ています。

いろいろなお話との新たな出会いがある本です。
ぜひ、読んでみてくださいね。


朝鮮の昔話 七人のふしぎなじいさま

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日本中、地震や原発の心配で、不安に駆られがちな毎日ではありますが、
発する言葉は常に前向きでありたいものです。

活発化する余震で、もともと古かった子どもの学校の校舎はさらに損傷がひどくなり、
新学期を迎えた学校に通う子どもはもちろん、送り出す親としても、不安を感じずにはいられませんが、
「怖いね」
という言葉よりも
「気をつけて過ごして、元気で帰ってくるんだよ」
という言葉をかけるようにしています。

本当に、毎日わが子とともに命あることは、
あたりまえなことではないことを思い知らされる震災ですので、
朝起きたら「今日も無事で過ごせますように」と祈り、その日その日を大切に過ごしています。

当たり前のことですが、
今ある命を大切にして、
注意しつつも前向きな気持ちで、
はりきって、
元気に明るく、
小さな幸せに喜びを感じながら、
毎日を過ごしたいものです。

今日も、今学校で過ごしている子どもが、夕方は元気で家に帰ってきますように、
無事で一日が終わりますように、と祈りつつ、母は母でガンバリマス。

昨日読んだ絵本は「七人のふしぎなじいさま 」。朝鮮の昔話です。
「昔話」とは申しましても、現実離れしたお話の世界ではなくて、
朝鮮の歴史の中の一こま、といったような物語です。

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舞台は7世紀の初めの朝鮮半島。
朝鮮の北のほうには「高句麗」という国がありました

そこに襲ってきたのは、当時の中国にあった強大な国「隋」。
「隋」は大軍を率いて、高句麗の国を攻めました。

強大な隋の軍隊に攻められ、多くの高句麗軍は倒れました。
高句麗の国境近くでは、多くの人が死に、その戦場に残ったのは何もない焼け跡だけ。
にぎやかだったはずの町もなくなってしまいました。

隋の目的は、高句麗をわがものにすることです。
隋の大群は、高句麗の都、平壌を目指しました。
徒歩で平壌を目指す隋の大群の前に現れたのは、清川江(チョンチョンガン)。
川幅が広く、そして深く、流れも速い川です。

橋は見当たりません。
隋の大群は、こんな川をあるいて渡れるものかとどよめきます。
隋の大将はいらだちました。

その時です。
岸辺にいつ現われたのか、白いひげのじい様が7人現われました
7人のじい様はジャボジャボ川に入って行きます。
7人のじい様は、まるで子どもの水遊びのように、川の真ん中で、いかにも楽しそうな様子です

隋の大将は叫びました。
「ものども、あのじじいの後につづけー!」

隋の大群は「おー!」という掛け声とともに、清川江になだれ込みました。
10万、20万という大群です。

その時です。
7人のじい様の姿がふっと消えました。
そして…

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今でこそ北朝鮮と韓国の不安定な隣り同士が心配される朝鮮半島ですが、
朝鮮は、その昔から、
一度としてほかの国を侵略しようとしたことがない国だそうです。
そしてそのことに誇りを持っている国でもあるそうです。

歴史を見て初めてわかるその国ならではの国民性は、こんな物語を読んで知ることもできるのですね。
今日本では、震災後の冷静さ、団結力の良さなどが、世界から称賛されておりますが、
ほかの国の、その国ならではの国民性の良さも、きっと知らない部分がきっとたくさんあるのでしょう。

「七人のふしぎなじいさま 」は北朝鮮の良さを知ることができる絵本かもしれません。
ぜひ、読んでみてくださいね。





せかいいちおいしい「石の」スープ

評価:
マーシャ・ブラウン
岩波書店
¥ 1,680
(2010-04-22)

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とてもよく似た昔話が世界各地に点在しています。
このお話とよく似た設定の物語を、先日は「中国版昔話」で読んだ記憶があります。

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あるところに、3人の兵隊さんが、見知らぬ道をとぼとぼ歩いておりました。
戦争が終わって、故郷へ帰る途中だったのです。
兵隊さんたちは、もう丸二日も、何も食べておりません。
くたくた、腹ペコの体で、ただひたすらとぼとぼ歩いていたのです。

すると、ある村にたどりつきました。
ここなら少しの食料を分けてもらって、納屋の隅にでも寝かせてもらえるかもしれません。
兵隊さんたちは頼んでみることにしました。

…ところが村の人たちにとっては、こんな兵隊さんは時々やってきますから、食料や寝床を分けるなんてまっぴらな話。
牛乳もキャベツも牛肉も、急いでかくしてしまって、「何もありませんよ。私たちも腹ペコなんです」とうそをついて断りました。
一軒一軒頼み歩いても、食料もダメ、寝床もダメと断られ、3人の兵隊さんは話しあいました。
そして村の人たちと一緒に石のスープを作ることにしたのです。

まず3人の兵隊さんは、村の人に一番大きなお鍋と、バケツに何杯もの水と、できるだけつるつるの石と塩と胡椒を持ってくるように頼みました。
村人たちは協力します。だって、石でスープができるなら、ぜひ覚えておきたいと思ったからです。

ぐつぐつといい具合に煮たってくると、兵隊さんは言いました。
「石のスープがおいしそうにできてきましたよ。これだけでも十分おいしいのですが、ここにニンジンがあれば、もっと美味しくなります」

するとニンジンを隠しておいたおかみさん、「あら、ニンジンの1本や2本ならどこかにあるかもしれないわ」
といって家に戻り、エプロンにどっさりとニンジンを包んで持ってきます。

ニンジンを入れながら、また兵隊さんは言いました。
「これだけでも十分おいしいですがここにキャベツがあれば…」
すると今度はまたキャベツを隠していた別の人が、家に飛んで帰り、たくさんのキャベツを抱えて持ってきました。

さらに兵隊さんは言います。
「ほんの少しの牛肉があれば、…」
「ほんの少しの牛乳と大麦があれば…」

そして出来上がったのは王様が召し上がるぐらいにおいしい、絶品の「石のスープ」だったのです。

村人たちは大喜び。だって石でスープを作る方法を教えてくれたのですから。
これから一生食料に困ることもないでしょう。
村人たちは兵隊さんたちに感謝して、村で一番いい寝床も用意してあげました。

-------------------------


ほんの少しの知恵で、みんなをその気にさせる方法を考えた物語です。
読んでいる子どもたちは「結局、牛肉も野菜もはいってるからおいしいスープなんだよね」と言いつつも、お話の中の「石のスープ」は本当においしそうで、絵本と同じようなつるつるの石も入れて、スープ作りを試してみたくなってしまうほど。

ぜひ、読んでみてくださいね。

中央アジア・シベリアの昔話集 めんどりがやいたパン

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最近図書館に行っても行っても、借りてきた絵本をすぐ読み終えてしまうので、絵本をいくつか借りるほかに、「たくさんお話が入った厚めの本」も借りてくるようにしています。

長男が「これもう読んだよ。借りてきた本、全部読んじゃったよ」
と言ったときでも「じゃあ、これ読もう」と出してきて、数日楽しめるからです。

こちらは「中央アジア・シベリアの昔話」がたくさん詰まったお話集です。
広い広い中央アジア・シベリアの各地方に伝わる昔話を集めてある本です。

挿絵は少ないのですが、お話が面白いので耳で聞くだけでずいぶん楽しめます。
一つのお話を読むのに15分ぐらいかかってしまう文字ボリュームなので、幼稚園にはちょっと難しいかもしれませんが、小学生の低学年ぐらいなら、きっと耳で聞くだけで楽しめる本だと思います。

いくつかお話が入っている本ですが、題名にもなっている「めんどりがやいたパン」もとっても面白いお話でした。

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あるところに若者が住んでいて、ある日若者はヘビとヘビとがたたかっているところに出くわします。
黒い蛇とまだらのヘビとが戦っておりました。
黒い蛇はまだらのヘビをぎゅうぎゅう締め付けて今にも絞め殺してしまいそうです。

男は2匹のヘビをひきはがし、黒い蛇を草むらのほうへ放ってやりました。

すると驚いたことに、まだらのヘビは人間の言葉で話し始めます。
命を助けていただいたお礼にヘビの御殿へ招きたいというのです。

男はヘビの御殿へ招かれ、お土産にお金でもなく宝石でもなく「めんどり」をもらって帰りました。
男が家に帰ってめんどりなどあっても腹のへりが満たされるわけでもなし…とおもいながら過ごしていると、翌日、仕事から帰った家の中には美味しいパンが焼いてあり、香りのいいお茶が用意されておりました。
パンを一口食べると、今までに食べたことがないほど美味しいパンです。男は驚きながらもおいしいパンを食べました。

いったい誰が…と思った男は翌日、仕事に行くふりをして家の中を覗いてみておりました。
見るとめんどりが鶏の皮を脱ぎ、美しい女性になって家の中で働き始めるではありませんか。
男は家の中に入り、めんどりが脱いだ皮を燃やしてしまい、めんどりは美しい女性の姿のままとなり、二人は夫婦になりました。

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ここまでは、日本の昔話ではであったことがないお話ながらも、「助けてやった動物が、人に恩返しをする」という意味で、「浦島太郎」にも似ているし、「鶴の恩返し」や「ヘビ女房」にも似ているなあ…と思いながら読んでおりましたが、最後まで読んでみると、ただの恩返しパターンではありません。

「絵姿よめさま」に、お話の後半はとっても良く似ています。その国の王様にみそめられ、お城に連れて行かれるお話です。

不思議な、でも面白い物語。
お国は違えど、昔話の断片は、日本にもよくある数々の昔話と共通しています。

世界はひとつ。
そう思える中央アジア・シベリアの昔話集です。

ぜひ読んでみてくださね。

とても、おおらかなお話

評価:
アーノルド ローベル
文化出版局
¥ 1,365
(2004-07)

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ちょっとした昔話チックなお話です。
「ジャイアントジョン」は表紙に大きく書かれてある通り、言ってみれば巨人です。

でも山の中で、とてもおおらかに、たった一人のお母さんと暮らしています。
遊び相手は妖精たちです。音楽に合わせて踊り、楽しみます。
「ジャックと豆の木」に出ているような人食い鬼ではありません。
挿絵の見た目通り、とても心の優しい大きな男、それがジャイアントジョンです。

ある日ジョンのお母さんは言いました。
「もううちには食べるものがない。お金もない」と。

ジョンは大丈夫!自分が働きに行ってくるから!と言いました。
ジャイアントジョンは元気に出かけます。
そしてとあるお城にたどりつき、そこで働かせてもらいます。
お城の掃除をしたり、お妃さまが洗濯物を干すお手伝いをしたり。

ジョンはとても喜ばれました。そして袋いっぱいのお給料をもらうことができました。


よくある絵本の中では、巨人はえてして怖い存在だったり、優しいのにみんなと分かり合えないさびしい存在だったりします。
いっぽうお城の王様やお妃さまも、威張りくさって権力を振り回す存在だったりします。

ですがこのお話の中ではジャイアントジョンも、王様もお妃さまも、みんな同じ土の上で、上も下もなく暮らしています。
「おおらか」という言葉をお話にしたような物語。

いろいろなマナーやモラル・人の生き方を説く昔話が多い中、ジャイアント・ジョンは何ともいえずほっとする物語かもしれません。

「いろいろあるけど、大丈夫」
と思える絵本です。
ぜひ、読んでみてくださいね。



豊かにするということは

リンゴのたねをまいたおひめさま
リンゴのたねをまいたおひめさま
ジェーン・レイ,河野万里子

「世界の昔話」としてくくりましたが、実際は、外国の昔話チックな創作童話ではないかと思います。

絵本を楽しむ要素として「お話の面白さ」「挿絵の美しさ」「先の読めないわくわく感」「心打たれる話の展開」…などいろいろありますが、この絵本は、その中でも「お話の面白さ」と「挿絵の美しさ」の少なくとも2つは、がっちりと備わっている絵本であるといえます。

---------------------
ある国に、王様とお妃さま、そして3人の娘たちがおりました。
とても美しく栄えた国でしたが、あるとき、お妃さまが亡くなると、次第に国は荒れ始め、木々も枯れ、作物も育たなくなり、人々は貧しさと飢えに苦しむようになってしまいました。
王様の宮殿でも同様、お妃さまの亡き後、次第に貧しさを増し、娘たちはドレスに継ぎをあてて着たり、王冠は1つのものを交替で使うようにもなりました。

そして年老いた王様は、この先、自分が死んだあとのことを心配し、今のうちに、3人の娘たちのうち、誰を後継ぎにするのか、きめておかなくてはならないと思いました。
この国の衰退をなんとか回復してくれる能力のあるものに、王の座を継がせたいと思いました。

王様は娘たちをよんで言いました。
「これから七日七晩のうちに、なにか素晴らしいと思えることをするように」
王様はその結果をみて、誰がこの国を治める能力があるか、試そうと思ったのです。

一番上の娘は国中に命令を出しました。
「国中の木材という木材をすべて持ってくるように。」
従わなければ牢屋に入れる、という条件付きでした。
一番上の娘はその木材で、月に手がとどきそうな塔を建てようと思ったのです。

二番目の娘は、それを見て自分も負けじと国中に命令を出しました。
「国中の金物という金物は、すべて持ってくるように。」
またしても従わなければ牢屋に入れる、という条件付きで。
二番目の娘は、ぴかぴか光る金物で、星に手がとどきそうなほどの塔を建て、姉に対抗しようと思ったのです。

三番目の娘は…そんな姉たちのようなひらめきは浮かばず、はじめ、ただ悩んでおりました。でも母親の形見のリンゴの種を見ているうちに、とってもいいことが頭に浮かんできたのです。

三番目の娘は…
---------------------

人の信頼を集めるというのはどういうことか、
国の行く末を豊かにするということはどういうことか、
面白い物語の中でしっかりとメッセージが込められている絵本です。

ぜひ、読んでみてくださいね。

いぬとねこ

韓国のむかしばなし いぬとねこ
韓国のむかしばなし いぬとねこ
シン ミンジェ,おおたけ きよみ

久しぶりに「おもしろい!!!」と思える昔話に出会いました。
韓国の昔話です。

読み始めはちょっとした浦島太郎。
登場人物が「男」ではなく「おばあさん」なので、ちょっとした女性版浦島太郎なのかしら?などとも予想される始まりなのですが、次々と予想を超えて物語が展開し「あら、浦島太郎じゃなかったわ」と思う間もなく、新しい展開が次々とやってきます。

「次はどうなるの??」
とわくわくする物語。

最終的には
「猫が部屋で飼われて、犬は家の外で飼われる理由」
が述べられて終わりますが、そこに行きつくまで、どうしてこの物語が「いぬとねこ」というタイトルなのかさえもわからない展開です。

韓国の昔話って、どれも本当に面白いのですが、これもまた格別に面白い昔話。
ぜひ、読んでみてくださいね。

鬼の毛三本

鬼の毛三本―イランのむかしばなし
鬼の毛三本―イランのむかしばなし
さいとう ゆうこ,Nayyereh Taghavi

遠い国、イランの昔話ですが、とってもおもしろい昔話です。

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ある国の王様が、占い師に言われました。
「王様、今この国のどこかで男の子が生まれました。両肩にほくろのある男の子です。その子はやがてこの国の王になり、あなたは王の位を失うでしょう」

なんでも占い師に相談する王様は、この予言に大変驚き、すぐ国中におふれを出しました。
「両肩にほくろのある男の赤ん坊をつれてきたものには、ほうびを取らせる」

さて、一人の貧しそうな男が、赤ん坊を抱いて城にやってきました。自分の息子の両肩に、ほくろがあったからでした。
王様は男に「いい子だな、わしが立派に育ててやろう」とうそを言い、ほうびを渡して赤ん坊を受け取ると、その赤ん坊を箱に入れて川に流してしまいました。

赤ん坊がはいった箱は、沈まずに流れていきました。そして水車小屋の主に拾われ育てられ、立派な若者になりました。

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さて、このお話、王様が幾らあがいても、最後若者に王の位を奪われるのだろうということは予想がつくのですが、そこのたどり着くまでの物語は、とても面白くて意外性たっぷりです。

文字量も若干多めの絵本なのですが、話の展開に夢中になって引きずり込まれます。

ぜひ、読んでみて下さいね。


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